| AREDAC Inc. 七原肇 氏 |
 名前 ：七原肇
設立時の年齢 ： 30歳
設立年度：1986年
会社の形態： C-Corp
業種 ： 総合不動産サービス業
設立州 ： NY州
経歴 ： 1956年生まれ、栃木県宇都宮市出身。79年に慶応大学法学部卒業。大学時代には、バックパッカーとしてアフリカ、インドなど途上国を旅する。卒業後東京貿易に入社、石炭部門を担当。82年から83年まで貿易研修センターに留学。84年、ニューヨーク赴任。86年、当時日系企業が駐在員用の賃貸住宅が不 足し困っているのに着目し、社内ベンチャーとして現在のREDAC Inc.を設立し、不動産斡旋/管理サービスを開始。その後総合不動産サービスを展開しNTT DATAの海外初のコンピューターセンターの設立、高島屋の五番街のビル管理、熊谷組のコンドミニアム管理など数々のプロジェクトに関わる。87年、駐在員が自宅を購入する際にクレジットヒストリーが無く住宅ローンが取れないという問題を解決する為、住宅ローン会社REDAC SERVICE INC.を新日鉄との合弁で設立。人気商品となる。90年代はじめの不動産不況時には、不動産リストラを手がけアセットマネージメントサービスを確立。現在人気の短期アパートはその時の提案がきっかけとなる。95年、英語圏に赴任した駐在員の子女向けに現地校適応教育事業を開始、また、JALと組んで REDAC AUTO LEASEING INC.を設立。駐在員向けのオートリースを開始。オフィスから住宅まで日系企業が必要とする不動産サービスをワンストップで提供する総合不動産サービス を展開。現在、全米７拠点。CT州リバーサイド在住。趣味は、水泳、ヨガ。
会社情報
会社名 ：REDAC Inc.
資本金：65万ドル
年商：約33百万ドル（グループ全体）
従業員数 ：約80名
URL：www.redacinc.com, www.redacinvestment.com
経営を「完成形のわかるプラモデルよりくっつけたり、形を変えたりして作り上げる粘土細工のようなもの」と例える七原社長の言葉が印象的でした。学生時代に途上国を旅する中で身につけた多様な価値観や柔軟な発想は、今の経営にも十分生かされているようです。資源が豊かなわりに恵まれていないアフリカに行くことを望みながら最初の赴任地は、NY。しかも担当の石炭は、安価な豪州産、カナダ産に押されアメリカ産は縮小の一途。逆境の中での船出にも腐らず前向きに新天地を求めて果敢に挑戦することで誕生したのがリダックです。最初は、誰もが儲からないと反対する不動産の管理事業を「皆が反対するなら競争がなくていい。」と突き進み見事に花を開かせたのです。七原社長の経営は、物件という物から始まる商売ではなく、人が欲するサービスとは何かというニーズに基づいて始まり、発展を続けています。将来は、インドなどの発展著しい途上国にも米国と同様のサービスを始めたいと夢は、更に大きく膨らんでいます。
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| 起業した時、苦労したこと |
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起業当時不動産に関してはズブの素人。アメリカの商習慣も理解していませんでした。設立時、NYの生活をサポートするという意味で会社名をNYライフコーポレーション（訳すとNY生命？）と名づけて保険会社と間違えられたり、アメリカでは、ネズミのようにありがたくない存在のリスをロゴマークに使ったりと、とんちんかんなことをやりました。それでも困ったら知っている人にどんどん相談しながら徐々に会社経営や不動産業のいろはを学んで行きました。社員もアメリカでは当たり前の歩合制でなく給料制にしたため仕事の大小に係わらず丁寧に仕事ができました。そのため日系企業の進出や米国不動産投資の際には、お客様から信頼を得ることが出来ました。
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| これから起業する人へのアドバイス |
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起業することは、今までになかった存在をこの世に生み出す意味で、素晴らしく価値のあることです。しかし、その道は、決して平坦なものではありません。いわば、目隠しをしてたくさんの落とし穴のある道を走っていくようなものです。そもそも穴に落ちない方がおかしいぐらいです。経営を続けて行くと自分の知識や経験ではどうしても判断できない問題が起こります。その時は、信頼できるアドバイザーに相談することが解決の近道です。大事なのは、人を見る目を持つことです。自分が必要としている経験や能力があり、自分の状況を客観的に理解してくれて、前向きな意見を言ってくれる人、そんな人達にメンターになってもらってください。
初出：「アメリカンドリーム2008年2月号」
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| 取材・木田俊彦 / Johnman USA 社長。同志社大学卒。リクルート退社後、９４年に渡米。カラオケのパイオニアとして、また、NYの若手起業家グループの中心的存在として活躍中。 |
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